「逮捕に強い」などと言う弁護士は、「ハンドル握ってアクセル踏むのが得意です」というタクシー運転手のようなものです。
刑事専門の弁護士の弁護技術や法廷技術というのは決してその程度のものであってはなりません。理不尽な逮捕をされた依頼人を48時間以内に解放できなければ刑事弁護士の意味はありません。「確かにやりました」と罪を認めている人が刑事弁護士を頼むのは、即座に被害者と交渉して一刻も早く示談をして、不起訴処分を獲得するためでしょう。これらは車を運転できるタクシー運転手と同じくらいに当たり前の、最低レベルの仕事に過ぎません。
本格的な修行を積み、数々の難事件で経験を重ね、結果を出してきた本物の刑事弁護士にしかできない仕事というのがあります。その真骨頂は、巧みな交渉術、しっかりとした倫理と明晰な理論に裏打ちされた弁護技術、そして法廷の空気を支配する法廷技術です。
逮捕された依頼人を勾留させなかったとか、勾留決定に対して準抗告を申し立て、依頼人が釈放されたとか、勾留の途中で示談が成立して不起訴になったなどというのは、当たり前過ぎます。そんな当たり前のことをホームページで大々的に宣伝している弁護士がいるというのは、嘆かわしいことです。それはこの国の刑事弁護のマーケットが正常でないこと--刑事弁護の情報がきちんと市民に行き渡っていないこと--を示しています。
私たちは、当たり前すぎる活動を宣伝することはしません。「インターネット刑事弁護士」には決して真似のできない、私たちにしかできない活動の一端を紹介したいと思います。