投稿日:2012年11月22日|カテゴリー:小松圭介
我々のもとには様々な刑事事件の依頼があります。なかには「一審で有罪判決を受けたので、控訴審で弁護活動をしてほしい」「有罪判決が確定したが、再審請求をしたい」という依頼も少なくありません。
そのような事件の調査をしていると、「なぜ一審でこの関係者の証人尋問をしなかったんだろう」ということや「なぜ公判前整理手続で証拠開示をしていないんだろう」ということが多々あります。
ご依頼いただいた事件について全力を尽くすことは、弁護人として当然の責務です。しかし、控訴審や再審での弁護活動には法律上の制約があります。一審で請求することができた証拠や尋問することができた証人については、控訴審や上告審で裁判所が弁護人の証拠請求を認めることは原則としてありません。判決が確定する前の訴訟手続で証拠開示の対象になるべきだった証拠については、再審請求の準備の段階で弁護人が捜査機関に対して開示を請求することができる法的根拠はありません。一審の訴訟手続の中で、弁護活動を十分に尽くさなければならないのです。
日本の刑事裁判は一審が勝負です。ぜひ一審からご依頼ください。