当事務所で一丸となって弁護活動をしてきた東急田園都市線内の痴漢事件で、今日、東京高裁は第一審の横浜地裁川崎支部の有罪判決を破棄し、逆転無罪判決を言い渡しました。
逮捕直後から約2年弱、この日が来ることを信じて弁護活動をしてきました。今日の判決の後、依頼者のほっとしたような表情を見ることができて本当によかったです。

今日の判決は、ごく普通のサラリーマンがお酒に酔って満員の通勤電車で帰る実情をよく反映し、よく想像された、とても常識的ないい判決でした。
一方で、このような想像力豊かな、常識的な判決が下されるのであれば、絶対に無罪になるべきであった痴漢事件で、最高裁まで争って有罪判決になってしまった過去の事件のことが脳裏から離れませんでした。
あの事件はなぜ有罪で、今回はなぜ無罪になったのか。今振り返ると、弁護活動についていろいろ思うところはあります。しかし、今回の事件も裁判官次第では高裁でも有罪判決が維持されてもおかしくなかったとも言えると思いました。刑事裁判はそれほど紙一重な部分があることは否定できないのだと思います。
ただ、今日の無罪判決の陰には、裁判員の存在があるのだと私は思います。今回の事件は一審も裁判員裁判ではありませんでした。しかし、これまで積み重ねられた裁判員裁判における裁判員の意見が、徐々に徐々に裁判官の頭の中を変えてきているのではないかと私は思いますし、そう信じたいと思っています。

逆転無罪判決の余韻に浸るのも今日限りにして、また明日から依頼者の自由を守れるようにがんばっていきたいと思います。

2012-07-05 23:31 | 趙 誠峰