先日、法務省の法制審議会から、会社法制の見直しに関する中間試案が発表され、パブリック・コメントに付されています。その中に社外取締役を1人以上選任することを義務化することが、提案されています。
これが、「昨今の不祥事(オリンパスや大王製紙の例)を受け」などと表現されることがありますが、社外取締役の義務化はもっと前から議論されており、オリンパスなどの事件が直接の理由にはなっていないはずです。なにせ、以前も指摘しましたが、オリンパスには3人もの社外取締役が選任されていたのですから。
社外取締役が義務化されるのかどうかは、まだ分かりません。しかし、オリンパス事件においては、社外取締役が機能していなかったことが原因のひとつでありました。同社の第三者委員会の報告書では、この点について以下のように指摘しています。
「オリンパスでは、ある時期から、社外取締役なども導入されているようであるが、専門的知見を持った独立性の高い者が、社外取締役として人選されていなければ、本来期待される役割を果たせないことはいうまでもない(報告書146頁)」
これを踏まえて、同報告書は、再発防止策として、社長の友人や取引先などから縁故者を選任することをやめよ、と指摘しています(同183頁)。

第三者委員会の報告書は、社外取締役の義務化のさらに先の議論をしています。単なる義務化では、必ずしも問題の解決にはならないということです(ちなみに、法務省が社外取締役の義務化を導入しようとしている動機は、海外からの投資の呼び込みという全く別のものでありますが、それはまた機会があれば論じたいと思います)。

それでは、いったいどこから社外取締役を連れてこい、というのでしょうか?友人や縁故者であることの一事をもって、不適任であるとは言えないはずです。

社外取締役を義務化するとしても、その人材をどう確保するのか、その職務は具体的に何なのか(取締役会に出席していろいろ意見するだけでいいのか)、第三者委員会が指摘する「専門的知見」とは何なのか、社外取締役の業務をサポートするスタッフをどうするのか、等々をしっかりと議論する必要があると思います。

2011-12-11 16:54 | 岩佐 政憲