今回のオリンパスの事件については、企業の法務部に勤めていた経験のある者として、非常に残念に思っています。きっとオリンパスの法務部で真面目に働いていた方々も、悔しい思いをしておられると思います。会社法が改正され、内部統制やコーポレートガバナンスの充実に努力しておられたのに、一部役員の不正な行為で、全てが台無しになってしまったとお感じになっておられるかも知れません。
改めて感じるのが、いくら会社法などで立派な仕組みを作っても、運用する側の人間がそれを守るつもりがなければ、不正が繰り返されてしまうということです。オリンパスの役員を見ると、15人の取締役のうち3人も社外取締役を選任しておられるし、4人の監査役のうち、社外監査役が2名選任されております。取締役の任期は1年で、毎年株主総会のチェックを受けようになっています。さらに、執行役員制を導入して経営監督と業務執行を切り離しており、まさに企業統治のお手本とでもいうべき、すばらしい「仕組み」です。
しかし、今回の不正は、この「仕組み」のおかげで明らかになったのではありませんでした。たった一人の、勇気あるイギリス人の新任取締役が、声を上げたおかげでした。しかし彼の主張は無視され、挙句の果てには代表権と社長の地位をはく奪されました。彼の声に応えて自ら声を上げた役員さんは、出てきませんでした(11月11日現在)。
結局、立派な「仕組み」が機能しなかったわけですが、その原因も含めた事案の解明がなされないと、同じことが繰り返されてしまうと思います。

2011-11-11 16:19 | 岩佐 政憲